ホッケーで1,000万円儲ける

rika-kou2004-05-08

先月末、上司から広告掲載料金で夏までに1,000万円売り上げるプロジェクトを企画せよというミッションが与えられた。担当しているIT系雑誌の1ページ当たりの掲載料金は123万円だから、およそ10ページ分である。大企業で広告に積極的とされる日立製作所NECIBMあたりでも1社で買い切ってくれることなどそうそうないので、かなりの難題である。長年温めていたアイデアもない。

こんな時は、ひとまず図書館で現実逃避だ。そして、全く関係ない分野の本を読むに限る。ゴールデンウィークの初日、私が手にしたのは、『スポーツ新シリーズ 6人制ホッケー恩田昌史 著、不昧堂出版、昭和58年発行だった。

表紙はポロシャツにミニスカートのユニフォーム姿でスティックを持つ女子がテニスボールよりやや小さい球を打とうとしている絵だ。当時から興味を持たれなかった書籍らしく、最終貸出日は昭和61年6月7日。記録はこの時1回限りであとは誰も借りていない。紙も黄ばんでいる。

「ホッケーはオリンピックの公式競技種目として、男子が1908年ロンドン大会から、女子が1980年モスクワ大会から実施されている。“ホッケーといえば、パキスタン・インド、パキスタン・インドと言えばホッケーといわれるように、世界に誇るアジアのスポーツでもある。」

ふうん。

「英国生まれのホッケーは明治39年、当時麻布にあった聖アンドリウス教会の牧師でダブリン大学ホッケー選手だったアイルランド人、W.T.グレー氏が慶応の学生に伝えた。これが日本でのホッケーの歴史の始まり。」

お、我が母校に伝えてくれたわけね。


「ホッケーはその使われる用具とルールからして、プレーとゲーム展開が、流動性、技術性、そして創造性に富んだスポーツである。さらに体格にも左右されず、日本人の優れた調整力、組織力、精神力、そして知性をもってすれば、男子、女子ともに世界の一流になる可能性が残されたゲームである。」

なんとフェアなゲームなのでしょう。以下気に入ったフレーズ。


● 技術はボールの扱いがうまいこと。でもそれだけではよいゲームはできない。技術に戦術をかけあわせてこそゲームに役立つプレーになる。ゲームでは自分とボールの他に常に相手がいる。ホッケーはボールをめぐる自分と相手との争いである。
ホッケーの戦術には、大きく分けて次の4つがある。

1)個人プレー 
2)ペアプレー 
3)グループプレー 
4)チームプレー   (103ページより)


● 常に考え・感じてプレーしよう。スピード、スタミナ、スピリットの3Sはホッケーの大切な要素である。(104ページより)


なるほど。というわけで、今度の1,000万プロジェクトでは、改めて戦術を工夫することに決定。プロジェクトは広告を巡る営業とクライアントとの駆け引きである。普段は各自勝手に営業にいっているけれど、ペア&チーム制をいれて。長年の営業トークも磨きをかけなくちゃ。迅速に、粘り強く、そして熱く。感じる営業が大事よね。
……しまった。気分転換にならんかった。気づくと仕事について考えている自分がいた。



今日は趣向を変えて、スポーツエッセイでした。
来週Numberの藤島大さんからコメントを頂く予定。まだまだ赤字だらけなんだろうなとドキドキ.....。