鯖の味噌煮はうまいか

rika-kou2004-05-09

人の感受性にルールや基準は設けにくい。だから、芸術や創作作品は評価が難しいのだと思う。でもファッションデザイナーで私が尊敬して病まない武藤直路先生が、先週お会いした時、そっとヒントをくれました。

うまい作品は

■本質を間接的に伝えている。
■才能を作品中に忍ばせて、社会をまわしている感じがある。 曰く、ぬかみその中に手を入れてぐるっと回す感じ。
■お金になる。

なんだそうです。

例えばフランソワ・トリュフォーの「柔らかい肌」。ベッドシーンの最中で男性がふと思い出したように廊下の電気を消しに行ったりする。部屋の中の映像も、ラブシーンも出てこない。ルームサービスをとって残したミルクをぺろぺろなめている猫をひたすら映しているだけ。わけわからん。でも、そこには本質を柔らかく、間接的に表現していくうまさがある。この作品をお金を出して見たい、という人がいる。だから、成功。うまい作品。

いつか先生が耳にした「回転ドアは後ろから人を追いかけてくるような恐さがある」っていう表現にも、「うまさ」を感じるそう。

ということで。
鯖の味噌煮と高菜ごはん。この写真をひたすらじっと見てください。本質隠れてますから。お金出してもっと見たい?
そんな人がいたら、間違いなくこの創作物はうまい作品です。