中秋の名月

月餅

ラジオ深夜便をきいていたら、9月28日は旧陰暦の8月15日にあたり、中秋の名月だって声が聞こえてきた。

そういえばこの日。お月見の十五夜、中国では月餅(ゲッペイ)を食べるんだ。丸い月は円満な家族の象徴。月を見ながら遥か異郷に住む親戚たちに思いを馳せ、幸せな生活をお祈りする。昔から秋の季節に月見をする風習が盛んだったのだけれど、これは、八居易や杜甫など唐代の詩でよくわかるそう。

韓国では、同様に先週の土曜25日から秋夕(チュソク)といわれるお休み期間に入ったんだって。秋夕は日本で言う旧盆。都心に住む人はみーーんな故郷へ里帰りし、お墓参りをするんだって。そういえば数年前韓国に旅行に行った時、なぜか町全体ががらんとしていて、活気がないなって思ったことがあったけ。どうやらばっちり秋夕のお休みにはまってしまったらしい。ホテルの人がよかったらって緑色のお餅をくれたけれど、それはソンピョンっていうみたいね。
近頃は、この帰省ラッシュも、すこしばかり様変わりしていて、仕事が忙しすぎて帰らない人もいれば、経済状況がよくなくて、お土産・プレゼントを持参する人もうんと減ってしまったんだって。

お盆といえば、日本では、きゅうりで作った馬と、なしでつくった牛。ご先祖様を迎えるための目印らしいのだけれど、きゅうりの「馬」は、早く帰ってくる動物の象徴。「牛」はのんびりする気性の動物。そこから、ご先祖様早く来てねと馬の乗りものを用意し、帰るときは、すこしでも現世にとどまってて、帰らないでほしいと牛を用意するんだって。

どの国でも歴史の流れ方の差こそあれ、一様に秋の季節を美しいと感じ、身内が集まってきては、祖先や親戚を敬い、祭る習慣があるんだね。